物理有機化学研究室

岡山理科大学理学部化学科

はじめに

 「物理有機化学」とは,有機化合物の反応や構造を詳しく調べ,有機化学を深く理解するための原理や法則を導くことを目的とする研究分野です.この考え方に基づいて,当研究室では,芳香族を基盤とした特異な構造や電子構造をもつ有機分子(パイ電子系化合物)を設計し,実際に合成し,構造や物性を分光学的および理論的な方法を用いて評価する研究を行っています.
 最近は,対象性が高い「美しい構造」を持った新奇パイ電子系の創出や新しい電子構造や機能を持ったパイ電子系ユニットの開発を中心に研究しています.これらのビルディングユニットを用いて,二次元および三次元的な構造体を組み立て,構造解析や機能探索を行っています.自由な発想に基づいて,これまでにはない世界初の面白い構造を持った分子を作って調べることを目的としています.ターゲットに設定した目的化合物を自分のアイデアや知識に基づいて,自分自身の手で合成したとき,これまでにない達成感と有機化学のおもしろさに気づくことができると思います.研究室の一員として一緒に世界で初めての分子を作ってみませんか?

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発表した主な論文

日本女子大学・武村裕之先生(名誉教授),名古屋工業大学・迫克也先生との共同研究成果をTetrahedron Letters誌に発表しました.(2023年9月受理)

本研究は,Smiles転位を利用して,環サイズの小さなDiaza[1.1.1]および[1.1.1.1]paracylophane類の合成を行いました.環サイズを縮小させることで環ひずみが大きな分子を合成できる手法に利用できる画期的な手法です.

"Synthesis of diaza[1.1.1] and [1.1.1.1] paracyckophanes by Smiles rearrangement"
H. Takemura,* M. Wakamatsu, H. Murakami, T. Iwanaga, K. Sako
Tetrahedron. Lett., 2023, 130, 154762. Link

Chemistry Letters誌にアントラセンビスイミドーブタジニレン鎖状オリゴマーの合成と物性をまとめた論文を発表しました.(2023年3月受理)

本研究は,田中さん(修士修了生)が開発した非対称に脱シリル化できる手法により合成した基質を用いて,鎖状2量体,3量体の合成を行いました.アントラセンビスイミドのパイ拡張による物性の変化を明らかにしました.

"Synthesis and Photophysical Properties of Anthracene Bisimide-Butadiynylene Linear Dimer and Trimer"
T. Iwanaga,* K. Tanaka, K. Kawano, N. Yamashita, T. Ishikawa, S. Toyota
Chem. Lett., 2023, 52(4), 233-236. Link

The Journal of Organic Chemistry誌に窒素で架橋したカルバゾール二量体を利用してScholl反応の反応機構に関する知見をまとめた論文を発表しました.(2022年10月受理)

本研究は,守岡さん(学部卒)が立ち上げて,修士課程を修了した沖さんが反応条件を検討して,まとめた研究成果です.DDQと様々なスルホン酸類を適用し,その当量や種類を変えることで得られる生成物が異なってくることを見出しました.
(株)リガクの佐藤博士にはX線結晶構造解析をしていただきました.また,近赤外までの吸収スペクトル測定では大阪大学大学院の鈴木修一先生にサポートしていただきました.

"Synthesis of π-Extended Carbazole Dimers via Oxidative Cyclization Using DDQ and Sulfonic Acid and Elucidation of the Reaction Mechanism"
T. Iwanaga,* T. Oki, Y. Morioka, S. Inoue, H. Sato
J. Org. Chem., 2022, 87(21), 14855-14860. Link

The Journal of Organic Chemistry誌に2,7-アントリレンを基盤とした大環状分子の合成とそれら構造と電子物性をまとめた論文を発表しました.(2021年7月受理)

本研究は東工大理学院博士課程へ進学した小森さん(修士修了)が本研究室で進めてくれた研究成果です.大阪大学大学院の鈴木修一先生,愛媛大学大学院の御崎先生,(株)リガクの佐藤博士,東工大の豊田先生との共同研究成果です.

"Synthesis, Structures, and Electronic Properties of 2,7-Anthrylene-based Azacyclophanes Bearing o-, m-, and p-Phenylenediamine Linkers"
T. Iwanaga*, T, Komori, H. Sato, S. Suzuki, T. Yamauchi, Y. Misaki, H. Sato, S. Toyota
J. Org. Chem., 2021, 86(17), 11370-11377. Link

Chemistry Letters誌にアントラセンビスイミドーペンタセン系ドナー/アクセプター型分子の合成と分光学的性質に関する論文を発表しました.(2020年4月受理)

本研究はFriedrich-Alexander UniversityにてRik R. Tykwinski教授(現アルバータ大・カナダ)と行った共同研究成果です.

"Construction of Anthracene Bisimide-based Donor–Acceptor–Donor Arrays with 6,13-Diethynylpentacenes and 9,10-Diethynylanthracenes as Extended π-Conjugated Systems"
J. Nebauer, T. Ishikawa, S. Toyota, R. R. Tykwinski,* T. Iwanaga*
Chem. Lett., 2020, 49(7), 781-784. Link

Tetrahedron Letters誌にパイ拡張型dihydrophenazine誘導体の合成と分光学的性質に関する論文を発表しました.(2019年3月)


"Synthesis and Photophysical Properties of Dinaphto[2,3-b:2’,3’-i]dihydrophenazine Derivatives"
T. Iwanaga,* N. Asano, H. Yamada, S. Toyota
Tetrahedron Lett., 2019, 60(16), 1113-1116. Link

Chemistry Letters誌に2,5-Diphenylthiophene基盤マクロサイクルの合成と構造に関する論文を発表しました.(2018年4月)


"A Saddle-shaped Macrocycle Comprising 2,5-Diphenylthiophene Units"
T. Iwanaga,* Y. Yamada, T. Yamauchi, Y. Misaki, M. Inoue, H. Yamada
Chem. Lett., 2018, 47(6), 760-762. Link

更新情報・お知らせ

2023/10/04
メンバーと発表論文を更新しました.NEW
2023/10/03
公益財団法人 泉科学技術振興財団研究助成に採択されました.選考委員および関係者の皆様に御礼申し上げます.NEW
2023/04/01
公益財団法人 池谷科学技術振興財団研究助成に採択されました.後日,授与式に参加させていただきました.選考委員および関係者の皆様に御礼申し上げます.
2023/04/01
メンバーを更新しました.
2023/3/10
論文を発表しました.
2022/10/12
論文を発表しました.
2022/04/01
メンバーを更新しました.
2021/07/30
The Journal of Organic Chemistry誌に論文を発表しました.
2021/07/06
岩永准教授が,令和3年度岡山工学振興会科学技術賞を受賞しました.
2021/04/01
メンバーを更新しました.
2021/01/31
リンクを更新しました.研究室配属説明会について,Facebookに情報をアップしました.
2020/11/14
岩永准教授が,2020年度有機合成化学協会中国四国支部奨励賞を受賞しました.詳しくは研究室Facebookをご確認ください.
2020/06/27
top画像と業績を修正しました
2020/04/24
もろもろ修正しました
2020/04/10
サイトを全面リニューアルしました.

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